英語習得にかかる時間は2,200時間 -時間確保をして習得するための5つのヒント

あなたはこれまでどのくらいの時間、英語を勉強してきたでしょうか。あとどのくらいの時間勉強すれば、英語を習得できるでしょうか。

この記事では、英語学習を続けるモチベーションが湧かない、上達がなかなか感じられない。そんな方々に向けて、英語習得にかかる時間を解説し、英語習得のためのヒントをご紹介していきます。

この記事を読んで分かること
・英語「習得」に2,200時間がかかると言われる根拠
・長い道のりである英語学習を続けていくためのヒント

英語習得にかかる時間は2,200時間

日本人が英語を習得するのに一体どれだけの必要か、多くの研究機関やブログなどで論じられています。

ここでは、そうした議論のなかでも有名な、U.S. Department of State(アメリカ国務省)のForeign Service Institute(FSI, 外交官養成局)が公表しているリストを見てみましょう。

FSIでは、英語ネイティブのアメリカ人外交官に対して、外国語を使って仕事ができるレベルに達するまでに必要な時間70年以上にわたる外国語教育の経験から、67言語の難易度を4段階で公表しています。

このリストによると、日本語は最も難しい言語の1つに位置付けられており、習得に必要な学習時間は2,200時間とされています。

なぜここで、英語ネイティブであるアメリカ人の日本語難易度の話を挙げたかと言うと、外国語の難易度は、その人の母国語と学んでいる言語との『言語間距離』が大きく影響するからです。

つまり、英語ネイティブにとっての日本語習得の難しさは、日本語ネイティブにとっての英語習得の難しさに通じるところがあり、日本人が英語を使って仕事をできるレベルに達するには、2,200時間が必要だと言えます。

日本の公立の中学校と高校に通った方であれば、中学校と高校で約790時間程度英語を学んでいます。英語習得に必要な時間を2,200時間とすると、残り約1,410時間程度の英語学習が必要になります。

約1,410時間の学習時間が必要であることが分かった今、問題はどうやってその時間を確保するか、ということでしょう。英語に限らず、なにかを学び、習得しようとしている人であれば、その道のりは長く、平坦でないことはお分かりだと思います。

ここからは、そうした膨大な学習時間を確保し、英語を習得していくためのヒントを紹介していきます。

 

習得のヒント1:継続的に、ときに集中的に学ぶ

Image of beautiful asian girl studying remote from home, writing down lecture while using virtual classroom on laptop. Woman preparing for remote meeting, using computer.

2,200時間にしても1,410時間にしても、英語習得までにはとても時間がかかることがわかりました。

私自身も現在に至るまで、長年英語を勉強してきましたが、英語の勉強は長い道のりで、終わりがないものだと感じます。残念ながら、英語の習得に近道はありません。

一朝一夕に習得できるものでないことからも、英語の学習は継続的、かつ、ときに集中的にやることが大事だと感じます。毎日少しずつの努力と、時間がとれるときに、まとめて学習時間を確保するやり方が有効です。

私も継続学習を基本にしてきましたが、やはり十分な学習時間が確保できないので、会社の休暇やモチベーションが高いときに集中的に学ぶようにしてきました。

習得のヒント2:継続のためには自分が楽しいと思える学習方法を見つける

「継続的に」学習をするには、自分が楽しいと感じられるやり方を見つけつことが大事です。昨今、オンライン英会話や英語学習アプリなどのサービスがさらに充実してきました。NetflixやYouTubeなどの動画サービスを有効活用することもできますし、課題に応じたアプリも数多くあります。長い学習時間が必要とされる英語習得だからこそ、自分が楽しいと思える方法を見つけることがたいせつです。

私が自分に合っていて、続けられた学習方法にはこんなものがあります。

・DMMのオンライン英会話
・自分が好きなマーケティングの英語講座で学ぶこと
・英語を教えるYouTuberの動画を見て学ぶこと

一方、続けられず、途中で挫折してしまった勉強方法もあります。

・テキストを使ったオンラインおよび対面型の英会話
・単語帳などを使って単語だけを覚えていくこと
・自分には難しすぎる動画を見ること

自分のレベルに合っているものを選ぶこと、学習の進捗が見えること。この2つは、自分の学習経験を振り返り、学習方法を選ぶ際に大事なことだったと思います。一方、やってみないとわからないことが多いので、色々と試して見ることをおすすめします。いずれにしろ、自分に合う学習方法を見つけ、無理せず続けていくことが大事です。

 

習得のヒント3:集中的に学ぶには留学、コーチングサービスがおすすめ

ここでは『集中的に』学ぶための具体例をご紹介します。私は、留学とコーチングサービスをおすすめします。

留学と言うと長期に外国に行くことをイメージする方が多いと思います。しかし近年、その行き先や期間、体系などに変化が出ています。

下記の図が示すように、欧米の留学先が現在でも上位を占めていますが、日本から程近いフィリピンが2019年に初めて、イギリスを抜いて4位の留学先となりました。留学期間もこの結果が示す通り、1ヶ月未満の留学が約67%を占めています。つまり、欧米に長期に行くだけが海外留学ではなく、仕事の休みや転職の合間などに、アジアに短期留学をすることも集中的な英語学習に有効です。

参照:『海外留学協議会(JAOS)による日本人留学生数調査2019』
参照:日本学生支援機構による『2019(令和元)年度 日本人学生留学状況調査結果

また、コロナウイルスの流行をきっかけとし、『オンライン留学』と呼ばれるサービスが増えました。海外の大学や語学学校で完全オンラインのプログラムを用意しています。これらは、日本にいながら、海外の大学や語学学校のプログラムを受けることができ、集中的に学ぶことができます。

参考>>【解説】オンライン留学ってなに?オンライン英会話, 現地留学との違い

コーチングサービスも集中的な学習に有効です。ライザップをはじめとして、いくつかの英会話スクールがコーチングサービスを提供しています。オンライン英会話と比較して高額なサービスになりますが、日本人の英語コーチに伴奏してもらいながら、英語の効率的な学習方法、目標設定などについても相談できます。

ライザップイングリッシュ 英会話コース

 

習得のヒント4:目標設定がたいせつ

2,200時間というと果てしなく感じる上、英語の上達は毎日続けていても実感しづらいものだと思います。

そうした考えに共感できる方におすすめしたいのが、英語を使ってなにがしたいか、明確な目標設定をすること。英語のなかでもなにを習得したいか、細かく目標設定をして勉強に取り組むことです。

例えば私は、海外で仕事をしており、日々職場で外国人と英語でコミュニケーションをとる機会があるので、仕事で職場の人と意思疎通をするためのビジネス英語を学んできました。ただ、ビジネス英語と一口に言っても、多くのシチュエーションがあります。自社や自社製品を社外の人に説明するプレゼンテーションの場面もありますし、社内の会議で当月の販売状況を説明する場面もあります。

私自身がこれまでにやってきた英語学習を振り返ると、そうした明確で、細切れの目標設定ができていなかったがために、なんとなく、だらだらとビジネス英語を勉強してきてしまったと感じています。

多くの人が言うように、英語はあくまでツールですので、英語を使ってどんなことをしたいか考えてみること、そのイメージに向かって細かく目標設定をして英語学習に臨むことで、上達を実感しながら、目標に近づくことができると思います。

例えば私の場合は、

・自社と自社サービスを紹介するための英単語を習得する
・ミーティングをコーディネートするために、便利な言い回しやイディオムを学ぶ
・メールで社外の人に対して見積をとったり価格交渉をしたりするための言い回しを学ぶ

といったように、目標を細分化しています。

ビジネス英語の習得と言うと、果てしなく長い道のりに聞こえますが、上記のように細分化してみると、1つ数十時間程度でできそうな気がしてきます。

 

習得のヒント5:モチベーションを上げる機会を設定すること

長期にわたって学習を続けていくためには、英語学習のモチベーションを高める機会を意識的に設けることも大事です。私がこれまで英語を学ぶモチベーションが高まった瞬間には以下のものがあります。

・留学をし、外国人と意思疎通がとれたとき
・オンライン英会話で好きな話題について盛り上がったとき
・海外の行きたかった場所、見たかった景色を見れたとき
・英語の会議で自分の意見をうまく伝えられたとき
・英語の試験で自分が目標としていた点数をとれたとき

こうした機会に自分の英語に対するモチベーションが上がってきたと感じてきました。英語学習はインプットがより大事ですが、アウトプットの際に英語の楽しさをより感じるものだと思います。一方、意識していないとインプットの学習に偏りがちなので、モチベーションが上げる機会を自らつくり出す努力が必要です。

 

さいごに

ここまで日本人が英語習得までに2,200時間が必要であること。その膨大な学習時間を確保するためには、継続的かつ、ときに集中的に勉強することが大事であることを書いてきました。

長い道のりのなかでも、自分が楽しいと思えるやり方を見つけて続けること、目標を明確にし、細分化することで、上達を時間しながら、継続して勉強することができます。

英語を上達、習得したいと考えているみなさんはぜひ英語を使ってどんなことをしたいか、そこに到達するために、どんな細切れの目標を設定することができるか、考えてみることをおすすめします。