フィリピン移住のデメリットを挙げてみた | 失敗しないために知っておきたいこと

海外移住、フィリピン移住をしたいと考えている人の中には、そのデメリットや失敗例が気になる方が多くいると思います。私も、海外に出るまでに時間がかかったのは、海外に住むことの不安やデメリットが気になったからです。

私はこれまでオーストラリア、カナダ、インドとフィリピン、計4年海外に住んできました。海外に住むことには、デメリットを大きく上回るメリットがあると感じており、この先も海外に住み続けたいと思っています。ただ、もう日本に帰りたい、と思ったことも何度かあります。

この記事では、私がこれまでの海外暮らし、フィリピンでの暮らしから感じてきた海外とくにフィリピンに住むことのデメリットを書いていきます。フィリピン移住で失敗しないためのヒントが見つかるはずです。

この記事を読んで分かること
・フィリピンに住むことのデメリット
・フィリピン移住で失敗しないための対策
・デメリットの一方のメリット

参考>>フィリピン在住4年の僕がフィリピン移住をおすすめする10の理由

目次

フィリピン移住のデメリット1: 孤独

海外移住には孤独がつきものです。家族やパートナーと一緒に移住する場合でも、両親や親友と離れ、日本にいた時のように頻繁には会えなくなります。住む場所によっては刺激が足りず、余暇のための施設も充実しておらず時間を持て余すこともあります。

友だちがつくりづらい。やることがない

日本にいるときと違い、友人がつくりづらいです。

僕が初めての海外でオーストラリアに行ったとき、英語がほとんど喋れず、気のゆるせる外国の友だちがほとんどできませんでした。自分の考えや気持ちを半分も伝えられず、居心地の悪さを感じました。

インドに赴任したときは、土日や仕事後にできる娯楽が少なすぎ、相当な孤独を感じました。日本のように気軽に出歩くこともできず、暇すぎて、土日は早く月曜になって仕事に行きたいと思うほどでした。

孤独を解消するには現地のコミュニティに属す、日本の家族・友人に電話する

私が孤独を解消するためにしているのは、日本の家族や友人に定期的に電話すること。現地で友人をつくることです。インドにいたときはCouchsurfingというアプリを使い、現地のコミュニティやインドに来る旅行者と交流をしていました。

海外のそれぞれの都市には、日本人のコミュニティがあります。異国の地で同じ同じ日本人だからこその親近感をもて、日本にいるとき以上につながりが深い友人ができることもあると思います。

マニラにある主な日本人コミュニティ
・テニス同好会、バドミントン部などのスポーツコミュニティ

・稲門会、三田会など、一部大学の同窓会
・北海道人会、沖縄県人会、茨城県人会など、一部都道府県の県人会

日本人向け情報メディアPrimerで一部の日本人コミュニティが紹介されています。こちらも参考にしてみてください。

メリット: 自由な時間は日本にいるときより圧倒的に増える

孤独は一方で、自由に使える時間が増えることになります。海外に出て初めて、日本にいたときは、断れない人付き合いに多くの時間が奪われていたと気付きました。会社の飲み会がその一例だと思います。

現在こうしてブログを書き続けられているのも、副業の仕事をできているのも、自由な時間が増えたからです。

フィリピン移住のデメリット2: 場所によって治安が良くない

フィリピンは日本のように安全ではないです。フィリピンは銃社会で、発展途上の国であることから、お金目当ての犯罪も多く起こっています。一方で、治安が良いエリアもあります。住む場所を選び、犯罪や事件に巻き込まれないよう気をつけて生活していれば、被害に遭う可能性は極めて低くなるはずです。

事件件数は減少傾向も日本よりもずっと多い

外務省によれば、2018年フィリピンの殺人事件は日本の約8倍、強盗事件は約6倍だそうです。日本と比較すると非常に多いですが、これらの犯罪は減少傾向にあり、ドゥテルテ大統領の就任以降、さらに減っています。殺人事件は2017年比で22%減、強盗事件は32%減と治安は改善しています。

フィリピンで日本人が巻き込まれる犯罪、トラブルの事例

フィリピンで日本人が被害に遭う主な犯罪、トラブルの事例について見てみましょう。

スリ人通りの多いショッピングモールでポケットに入れていた財布を盗まれる。
窃盗歩きスマホをしていたところスマホを奪われる。
強盗人気のない通りを1人で歩いていて、刃物や銃を突きつけられて金銭を要求される。
美人局(つつもたせ)きれいな女性に声を掛けられ、ホテルまで行くと、男性が現れ、金銭を要求される。

フィリピンでは日本人を含めた外国人が裕福と見なされる傾向があります。そのことから、お金目当ての窃盗や強盗などの犯罪の標的に遭いやすいのも事実です。

フィリピンで事件に巻き込まれないための対策

犯罪、事件に巻き込まれないよう、これらのことに気をつけることで被害に遭う可能性は低くなります。

・治安の良いマニラのBGC, マカティなどのエリアに住む
・事前に調べ、治安の悪いエリアにはなるべく行かない
・喧嘩はしない。なりそうになれば避ける
・日本語で客引きしてくるフィリピン人などに気を許さない
・夜間に人通りの少ない場所への外出を控える

フィリピン移住のデメリット3: インターネットの回線が良くない、遅い

フィリピンのインターネットは日本のように整備されておらず、場所によって回線環境は悪く、スピードも遅いです。

フィリピンのモバイルインターネット速度は世界113

SPEEDTESTというインターネットの性能を評価するサイトによれば、2020年7月フィリピンのインターネット速度は、モバイルが138か国中113位、固定回線では174か国中109位になっています。

ネット環境の悪さを色々な場面で感じる

フィリピンで私は、こんな場面でインターネット環境の悪さを感じてきました。

・仕事で電話会議をしていて回線が遮断される。相手が言っていることが聞き取れない
・渋滞中にYouTubeなどで時間を潰そうとしても、動画が止まって見れない
・旅行で泊まったホテルの部屋の場所が悪く、インターネットに接続できない

フィリピン人とオンライン英会話をしたことがある方は、同じような経験をされた方もいるかもしれません。

固定回線はストレスにならないレベルの速さ

一方、固定回線は「遅い」と言われてますが、イライラすることは私自身少ないです。これは、住むエリアや契約するインターネットのプランによっても違うと思います。YouTubeやNetflixを見ていて動画が止まることはないです。

フィリピンでインターネットの回線契約をする場合は、ストレスにならないよう、なるべく早い回線を選ぶことをおすすめします。

フィリピン移住のデメリット4: 衛生状況が良くない

フィリピンの衛生面

日本と比較すると、フィリピンの衛生状況はよくないです。

水道水は日本のように飲めない

煮沸すれば飲めると思いますが、私も含め、周囲の日本人ではミネラルウォーターを飲んでいる人がほとんどです。ミネラルウォーターは日本の1/3〜1/4程度の価格で売られているので、ミネラルウォーターを買って飲むことをおすすめします。

虫も多い

ハエやゴキブリ、蚊が多くでます。高級ホテルやショッピングモールを除いて、トイレも日本のようにきれいではないです。タイやマレーシア、インドネシアなどの東南アジアに行ったことがある方であれば、同じ程度だと想像していただければ良いと思います。潔癖性の方にとっては辛いかもしれません。

衛生状況への対策

なるべく体調を崩さない、ハエやゴキブリなどの虫に出会さないよう、これらの対策をすると良いと思います。

・衛生的なBGCやマカティなどのエリア、コンドミニアムを選ぶ
・不衛生なエリアにはあまり行かない
・殺虫剤を家に常備しておく

・ウエットティッシュやアルコール消毒液を持ち歩く
・水道水は飲まない。ミネラルウォーターを携帯する

フィリピン移住のデメリット5: ものごとが思い通りに進まない

ものごとが遅々として進まないことがあります。人によりますが、責任をもって仕事をしない、平気で嘘をつく、てきとうに対応する人が多いです。これはむしろ、日本人がしっかりしすぎている、と言った方が良いかもしれません。

ものごとが思い通りに進まない体験談

マニラで最初に契約した家具付きのコンドミニアムでは、2か月経っても頼んでいた洗濯機が届きませんでした。エージェントの色々な言い訳で遅れていましたが、エージェントがオーナーから渡された洗濯機代を着服していたことが、後になって分かりました。日本じゃ考えられないことが、フィリピンではたまに起こります。

細かいことを気にしない。違いを楽しむ

残念ながらここに解決策を見出すのは難しいと思います。強いて言えば、細かいことを気にしない、そういったトラブルをむしろ楽しめる、くらいの人がフィリピン移住、海外移住には向いているかもしれません。

フィリピン移住のデメリット6: フィリピン料理が美味しくない

私にはフィリピン料理が美味しいと思えません。美味しいと言っている日本人にほとんど出会ったことがないです。

フィリピンの主食は米

フィリピンは日本人以上に米を食べます。フィリピン人1人あたりの米の消費量は日本人の1.5〜2倍とも言われています。ただ、日本のコメのように粘りがあって甘みがあるコメではありません。甘味が薄く、パサパサしているものが多いです。

味付けが濃く、脂っぽい食事

フィリピン料理では鶏肉、豚肉、焼き魚などがよく出てきます。味付けが濃く、脂っぽいものが多いです。自分から進んでフィリピン料理を食べることはなくなってしまいました。

日本食、海外の食事、レストランは充実している

日本食へのアクセス

私は普段の生活で、日本食など、フィリピン料理ではない食事をとっています。マニラやセブなどの都市部であるほど、日本食のアクセスには困りません。クオリティも高いです。観光地などでも、日本の食事はなくとも海外の食事が充実しています。

マニラにある日本でも人気の主なレストラン
・鼎泰豊 (ディンタイフォン)
・ShakeShack (シェイクシャック)
・とんかつ まい泉
・Mango Tree など

フィリピン移住のデメリット7: 渋滞がひどい

マニラやセブなどの都市部に限られますが、渋滞がひどく、移動に多くの時間がとられます。

マニラの渋滞は世界ワースト2

2020年1月にオランダのTomTom社から発表されたレポートによると、マニラはインドのバンガロールに次いで世界で2番目に渋滞がひどい国です。

渋滞していなければ15分の道のりに2時間かかることも

雨季になると渋滞がさらにひどくなります。仕事で顧客訪問をして、渋滞にはまり、1日の半分が終わってしまうこともあります。タイのバンコクやマレーシアのクアラルンプールほど地下鉄やメトロが発達しておらず、移動はタクシーや車に頼らざるを得なくなります。

解決策: 徒歩圏内で生活を完結できるエリアに住む

私はなるべく車に乗らず、生活を徒歩で完結できるようなエリアを選んで住んでいます。日本の都市部では、職場に歩きや自転車で通えるようなエリアに住みには高い家賃を払わなければなりませんが、幸いフィリピンでは都市部でもそこまで家賃が高くありません。

フィリピン移住のデメリット8: コミュニケーションはすべて英語

当たり前ですが、海外では英語でコミュニケーションをとります。英語が流暢な方であれば良いですが、特に仕事をするとなれば、意思疎通に難しさを感じる場面も多いと思います。

英語を話し続けることのストレス

英語を話し続けることは疲れます。英語がどれくらいできるかによるところもありますが、英語を聞いて理解すること、話すことに思考力が奪われます。私も初めて海外に長期滞在したオーストラリアで、疲れてもう英語を聞きたくない、話したくないと思うことが何度かありました。

日本語のように、自分の思いや考えを伝えることも簡単ではありません。長年英語を勉強してきましたが、日本語を100としたときに、自分が英語で表現できるのは60〜70程度だと感じます。伝えたいことがうまく表現できずにイライラすることもあります。

一方、こうした障壁があるからこそ、フィリピン人を含めた外国人と意思疎通できることに喜びがあると思います。会社などで違いを超えて同じ目標に向かい、なにかを達成することも海外で働くからこそ味わえる良さだとも思います。

フィリピン移住前に英語を磨く。フィリピンでも英語を学ぶ

英語ができなくとも海外、フィリピンで生活ができます。働く場合も、日本企業であれば、そこまで高い英語力は求められません。ただ、英語ができて、コミュニケーションがより良くとれるほど、フィリピンでの生活も仕事も充実します。

近年ではオンライン英会話が低価格で受けることができます。フィリピン移住を目指しているのであれば、フィリピン人の人柄を知るためにも、フィリピンのオンライン英会話を受講しても良いかもしれません。フィリピン留学も短期間で低価格で英語を伸ばすために良い方法だと思います。私もこちらに住む前に2か月のフィリピン留学を体験しました。

さいごに

フィリピンに住むことでデメリットを挙げてみました。

この程度のことはあまり気にならない、ということであれば海外移住、フィリピン移住が合っていると思います。不安に感じる方も、実際に住んでみると、自分にとっては全く気にならないところ、気になるところが出てくると思います。海外に住んでみたい、働いてみたいと思っているのであれば観光ビザを使って少しでも滞在してみること、語学留学してみることをおすすめします。

私もここに挙げてきたフィリピンに住むことのデメリットがストレスになることがあります。一方で、メリットがデメリットを大きく上回ってると感じ、しばらくフィリピんに住みたいと思っています。

参考>>フィリピン在住2年の僕がフィリピン移住をおすすめする10の理由