【体験談】海外で働くメリット・デメリット30選|海外で働きたい方へ

・海外で働いてみたいけど、海外で働くってどんな感じ?
・日本で働くよりも給料が良いって聞いたけど本当?
・毎日会社に行きたくなくて、辞めて海外で働きたい

一度きりの人生。一度は海外で働いてみたい。そう思っている方も多いはずです。日本の働き方に息苦しさを感じていたり、会社に行きたくなかったり。そうした理由から海外で働くことに興味をもっている方もいるかもしれません。

私は2016〜2017年にインドで、2018年から現在までフィリピンで、トータルで5年海外で仕事をしてきました。日本で6年働いた後、「海外駐在」と「現地採用」の両方も経験しました。私はこれらの経験から、海外で働く方が自分に合っていると感じています。同様に、日本より海外で働く方が性に合っている方が多くいるだろうと思います。

この記事では、日本で働くのが嫌だ、海外で働くのに憧れている。そんな方に向けて、海外で働くメリットとデメリットを紹介します。一般論に加えて、体験談も交えて解説しますので、『海外で働く』ことが具体的にどんな風かイメージしていただけると思います。

この記事を読んで分かること
・海外で働くメリット
・海外で働くデメリット
・「海外で働く」が具体的にどんな風か

 

目次

海外で働くメリット19選

私が思う「海外で働く」メリットには次の19があります。一部は仕事そのものではなく、海外で暮らすことのメリットですが、海外で働くことは、海外で暮らすことにもなりますので、ここに含めています。

海外で働くメリット19
1) 英語やその他外国語の上達ができる
2) マネジメント経験が積みやい
3) より良い給料、待遇で働ける場合が多い
4) 円安でさらにメリットを享受できる
5) より成長余地がある市場で働ける
6) より大きな裁量権とより幅広い業務を経験できる
7) 多様性のなかで働く楽しさを味わえる
8) 仕事そのものに集中できる
9) 異なる環境で働く耐性がつく
10) より市場価値のある人間になることができる
11) 日本では出会わなかった日本人に会える
12) 海外の文化をより知ることができる
13) 海外旅行がしやすい
14) 海外の友人ができる
15) 家族で滞在すれば、家族仲がずっと良くなる
16) よりワークライフバランスをとれた生活ができる
17) 日本を外から見る良い経験になる
18) 海外に第2、第3の故郷をつくることができる
19) 自分についてより深く知り、価値観を広げられる

1つずつ、私の体験談も加えながら、紹介していきます。

 

メリット1:英語やその他外国語の上達が期待できる

海外で働くということは、英語、あるいはその他外国語を使って仕事をすることになります。日常的に外国語を使う、使わざるを得ない環境に置かれることで、外国語の上達が期待できます。より良い上達のためには勉強も大事ですが、生活や仕事で英語を使うことで、少なくとも外国語により慣れることができます。

言語ができるようになることで、現地での仕事や生活の充実度が上がると思います。キャリアの点で言えば、その後の昇進や転職に有利に働くでしょう。プライベートでも、海外旅行がより充実する、異なる言語で情報収集ができる、外国の友達ができる、といったメリットに繋がります。

私はこれまでの5年の海外就労経験から、英語のコミュニケーションに慣れ、外国人と話すのにビビらなくなったと感じます。特に現在の仕事においては、自分の言いたいことを伝えられる、という自信もできています。

参考>> 英語ができると人生の幅が広がる!英語を学ぶ10のメリットとは?

 

メリット2:マネジメント経験が積みやすい

World Population Reviewによれば、2022年時点、日本の平均年齢は48.6歳。世界で2番目に高い数字です。国の平均年齢が高いことで、職場の社員の平均年齢も自ずと高くなります。「マネジメント経験」とは、後輩や部下の管理業務に携わることを意味しますが、日本では20〜30代のうちに役職に就いたり、マネジメント経験を積んだりすることが難しいです。

役職が上がることで昇給が期待できますし、転職のチャンスも増えます。転職で狙うポジションが課長や部長などのマネジメントポジションの場合、採用企業は応募者がマネジメント経験者かどうかを気にします。個人としてパフォーマンスを上げることと、チームとして実績を上げるには、別のスキルや経験を必要とするからです。

私が日本で働いていた会社の平均年齢は50歳。部下をもつのは早くても35歳前後でした。一方、現在私がフィリピンで働いている会社の平均年齢は32歳。日本では、一社員として自分だけの仕事をしていましたが、フィリピンでは、課長で7人の部下がいます。転職活動をした際には、チームをもっている点をアピールしましたし、多くの会社に評価してもらいました。

 

メリット3:より良い給料、待遇で働ける場合が多い

日系企業で働く場合、「海外駐在」と「現地採用」の2つ雇用形態がありますが、とくに「海外駐在」の場合は、日本で働くよりもずっと給料が高くなる場合が多いです。給料が上がるだけでなく、住居の家賃補助や車の購入補助、地域によってはドライバーや家政婦の方などのサポートもつく場合もあります。

また、物価上昇や人件費高騰などを背景に、特に欧米、オーストラリア、シンガポールなどでは、駐在か現地採用に関わらず、日本で働くよりも給料が上がることが期待できます。

私がインドで海外駐在をしていた際は、給料が日本で働いていた時の1.5倍になりました。さらにドライバーや家事を手伝ってくれる方、3LDKの住居が与えられていたので、自由に使えるお金がずっと増えました。

 

メリット4:円安でさらにメリットを享受できる

昨今進んでいる円安の影響で、海外で稼いだ外貨は日本円に両替することで、さらにメリットを受けられます。例えば米ドル。2022年12月3日時点の為替レートは1ドル=134円ですが、2022年1月時点では103円でした。米ドルを日本円に両替することで、30%多くの日本円を得ることができることになります。

私はフィリピンで働いているのでフィリピンペソで給料をもらっています。日本円はペソに対しても円安が進んでいますので、私も円安の恩恵を受けられています。円安が進んだ今のうちに日本円に換金する、また、日本に一時帰国した際に買い物をする、などしています。

 

メリット5:より成長余地がある市場で働ける

「失われた20年」「失われた30年」という言葉がよく使われますが、少子高齢化の日本では、市場が成熟してしまっています。産業や業界によっては、まだまだ成長余地があるところもあります。ただ、そうした産業や業界は限られています。

成長余地がある市場で働くことは、どんなメリットをもたらすでしょうか。1つは昇給が期待できること。2つ目に、仕事の見つけやすさ。3つ目に、活気を感じながら前向きに働けることだと思います。

私はインドで1年、フィリピンで4年働いてきました。過去10年、コロナ禍を除いてインドは5-8%, フィリピンも3-7%の経済成長率を毎年達成しています。両国で働いていて感じたのは、多少粗くともスピード感を重視してアクションを実行していくことです。国民性や文化に基づく仕事の進め方に関わるところもありますが、日本とは異なり、次々に行動し、結果が早く見えるということは楽しいと感じます。

 

メリット6:より大きな裁量権とより幅広い業務を経験できる

海外の日系企業で働く場合、日本で働くよりも幅広い業務を、より大きな裁量権をもって取り組める場合が多いです。これは1つに、駐在か現地採用かに関わらず、より上位のポジションに就くことが多いこと。2つめに、日本と同程度の業務を、日本よりも少ない人数で運営する場合が多いためです。より自由度をもって、自分自身で決めて仕事を進めていく経験は、キャリアの成長につながるはずです。

私は現在34歳でマーケティング部門のトップとして働いていますが、日本のグループ会社を見ると、50歳以上の人が務めているポジションです。事業規模や複雑性、細かさは異なりますが、業務範囲や裁量権という意味では、日本のそれに近しいものがあります。

 

メリット7:多様性のなかで働く楽しさを味わえる

日本は島国で移民も少ないため、画一性が高い社会だと言われます。画一性に加え、職場や集団では同調圧力も働き、自分の意見を表現しにくかったり、したいことを自由にできなかったり、という環境があります。海外のどこの国でもそうであるわけではありませんが、多くの国では、文化やルーツにより多様性があり、さらにそうした多様性や違いを歓迎する雰囲気があります。

多様性は一方で、合意をとって前に進めることを困難にさせる場面もあります。それでもそうした困難があるからこそ、1つにまとまったとき、成果が出たときにより喜びを感じられる、と私は感じています。

私は初めて働いたインドで、多くのインド人が多くの日本人の仕事の進め方とは違うことを知りました。1つに、PDCAのPlan、計画にかける時間が圧倒的に少ないです。やってから修正すれば良い、という考え方です。ミーティングでは、日本では聞かないような突拍子のない意見を何度も聞きました。日本人のように「『この人なんでこんなこと言うんだろう』と思われたらどうしよう」とそんなことは考えないのだと知りました。

多様性は新しい気付き、より良い成果、成果を出したときの達成感をもたらすと思います。

 

メリット8:仕事そのものに集中できる

私が海外で働くメリットのうち、最も重要視しているものです。

私の経験上、日本の会社では人間関係により重きが置かれ、同調圧力も働き、意思決定が合理的でなかったり、なかなか進まなかったり、ということがありました。飲み会やイベントごとの誘いは断りづらく、Noと言えない雰囲気もあります。振り返ってみると、仕事をしていながら、それ以外の人間関係に配慮したり、仕事以外のことに時間を費やしたり、そうした時間が多かったと感じます。

インドとフィリピンでの仕事で感じたのは、そうした煩わしさから解放され、仕事そのものに集中できるということです。例えばミーティング1つとっても、上司や年上に対するリスペクトはありつつも、より自由に意見できる、より良いアウトプットを出そうとする姿勢があると感じます。

 

メリット9:異なる環境で働く耐性がつく

海外に住み、働くのは、困難の多いものです。言葉や文化の壁もありますし、日本の友人や家族からのサポートも期待できません。

生活の面で言えば、住居探し、交通手段の確保、病院探しやそこでのコミュニケーション、現地食への順応など。仕事の面でも、新しいポジションの新しい仕事に、英語あるいは現地の言葉で慣れていく必要があります。しかし、こうした困難こそが、あなたが新しい環境に順応する適応力や耐性を鍛えます。

私は21歳のときに初めての海外で、オーストラリアに半年間住みました。孤独を感じ、日本に帰りたいと思うことが何度もありました。それでも踏みとどまって半年間滞在したことが、次のカナダでの滞在やインドでの駐在を後押ししました。一度困難を経験したことで、もう一度ぶちあたろうであろう困難が想像できるようになり、気が楽になりました。

異なる環境で働くことで耐性や適応力を磨き、さらに次の素晴らしいキャリアのチャンスを見つけることができると思います。

 

メリット10:より市場価値のある人間になることができる

以上に紹介してきた海外で直面するであろう仕事環境があなたを鍛え、転職市場でより市場価値のある人間となり、キャリアのステップアップを狙いやすくさせてくれるはずです。

大企業にかかわらず、多くの企業が「グローバル人材」を探しています。海外で働いた経験は、そうした「グローバル人材」の大きな説得力になります。

私も海外ポジションの転職活動をしていて、海外で働いた経験が、企業に評価されていると感じます。応募要件に海外の就労経験を入れている企業も少なくありません。海外で働くことで、次の海外ポジションあるいは日本国内でもグローバルビジネスに関わる求人を掴みやすくしてくれるはずです。

 

メリット11:日本では出会えなかった日本人に会える

仕事でもプライベートでも、日本では出会えない日本人に出会うことができます。これは、海外での日本人コミュニティがせまく、仕事や趣味を通じて現地の日本人とつながりやすいこと。また、外国で同じ日本人ということで親近感をよりもちやすいことがあると思います。とくに、日本人が少ない土地では、より深く付き合える日本人の友人ができる可能性があります。

私も特にインドで働いていた際、仕事と趣味の両面で、日本では出会えない日本人に多く出会うことができました。仕事で会社訪問をしていた際には、多くのインド支社の社長に会うことができ、インドやその他海外での就労経験を聞かせてもらい、勉強になりました。一方、プライベートでも、日本で会う日本人以上にエネルギッシュな日本人が多く、多くの刺激を受けました。生活の制限がある厳しい環境でもあったからこそ親交が深まった面もありますし、そこで出会った友人は現在でもつながっている人が多いです。

 

メリット12:海外の文化をより知ることができる

海外に住み、働くことで、日本と異なる海外の文化、商習慣、国民性などをより知ることができます。新しいことを知ること自体が楽しいことだと思いますし、自分のなかでの常識が変わったり、価値観が広がったり、ということにつながります。

私の場合、インドとフィリピンでの仕事から、日本人のようにPDCAのPlan、計画にそんなに時間をかけないんだな、と知りました。PDCAをより早く回すこと、結果を早く見ることの楽しさを味わっています。また、仕事上のミスをしてしまった場合に「ミスを憎んで人を憎まない」というのは、日本人に足りないところだとも感じ、見習いたいと思っています。

 

メリット13:海外旅行がしやすい

外国に住むことで、日本からは行きづらい国々に旅行に行きやすくなります。例えばシンガポールに住めば、周辺の東南アジア諸国へずっと安く、短いフライト時間で旅行に行けますし、イギリスに住めばヨーロッパ諸国への旅行がしやすくなるでしょう。

私がインドに赴任していた際はスリランカ、ネパールとドバイに。フィリピンに滞在中の今は、タイやラオス、ミャンマーなどに旅行に行くことができました。航空券は日本から行くよりもずっと安くなりましたし、フライト時間も短く、気軽に行くことができました。

 

メリット14:海外の友人ができる

仕事や趣味を通じて現地の友人ができます。そうした友人は、海外での生活の充実度を上げてくれます。現地を離れてからも繋がり続けるような友人もできるかもしれません。

私はインドでもフィリピンでも、一生付き合えるような現地の友人ができました。日本語のように言葉では100%通じ合えないのですが、言葉でなくともどこか通じ合っているようなつながりが、また良いところだと感じます。そうした友人と別の国や都市で会う機会があり、ロマンがあるなあと感じることがよくあります。

 

メリット15:家族で滞在すれば、家族仲がずっと良くなる

私は独身で、1人で海外に滞在しています。ただ、私の周りの家族で海外に滞在している方々は、私が日本で知っている家族よりずっと仲が良いです。お子さんがいらっしゃる家庭であれば、お子さんと両親の距離がより近いように感じます。これは、日本でいるとき以上に家族で過ごす時間が増える上に、共に困難を乗り越える経験をしてきているからだと思います。

ご家族がいらっしゃる方は、単身赴任ではなく、ご家族で海外に住まれることをお勧めします。

 

メリット16:よりワークライフバランスがとれた生活を送ることができる

会社と国にもよりますが、多くの国では、日本ほど長時間労働をしませんし、仕事とプライベートの時間がはっきり分かれています。日本では、未だに皆が会社に残っている中で帰りづらい、といったことがありますが、海外でそのようなことは考えにくいです。よりワークライフバランスがとれた仕事をすることで、趣味や家族との時間を増やせるなど、生活の充実度は上がるはずです。

私はインドとフィリピンで、日本より労働時間は長くなりましたが、休みはとりやすい環境でした。長期休みをとって日本に一時帰国したり、他の国々へ旅行に行ったり、という機会が日本で働いていたときよりも増えました。

 

メリット17:日本を外から見る良い経験になる

海外に行って、現地のものを知ると同時に、日本と比較し、その価値や良さを再認識することがあると思います。

海外のものと比較することによって、日本にいた時には気付かなかった良さに気付くこと、日本のものに興味をもち、より深く知る機会にもなります。日本にいたときとは違った視点を与えてくれるはずです。

私の場合は、初めて行った海外のオーストラリアにいた際に、現地で使われている日本メーカーの製品により興味をもち、そのことが最初の就職先に影響を与えました。

 

メリット18:海外に第2、第3の故郷をつくることができる

長く住めば住むほど、その土地に愛着が湧いてくるものです。それは、その土地が良い悪い、便利かそうでないか、とは別のものだと感じます。

私にとっては、4年住んだフィリピンが第2の故郷のようになっています。また、以前住んだインドやオーストラリア、カナダなどにも愛着を感じています。そうした国々へ、旅行でまた行ったり、住んだりしたいと思いますし、それらの出身地の人たちに会うと、自然と距離感が近くなります。オリピックやW杯などの国際大会でそれらの国が出ているときには、自然と応援している自分がいます。

そうした国や土地がいくつもできることは素敵なことだと思います。

 

メリット19:自分についてより深く知り、価値観を広げられる

日本とは違う海外の文化、国民性、商習慣などを知り、日本を外から見て、また、考えることで、自分自身をより深く知ること、価値観を広げる機会にもなります。

私は初めて行った海外のオーストラリアで、英語でコミュニケーションをとることの楽しさ、日本で「正しい」とされている謙遜することや相手に迷惑をかけないように行動することが、いつも正しいわけではないと気付きました。未だに英語のコミュニケーションに苦労する場面がありますが、人と接する際に英語で話す方が楽しいと感じます。

また、インドにいた際は休日にやることがなさすぎて、1人で考える時間がとても長くなりました。孤独で辛いと感じるときもありましたが、思考が深まったとても良い時間だったと思っています。

 

 

海外で働くデメリット11選

メリットの一方で、当然デメリットもあります。

1) 日本とは異なる海外の組織、働き方に順応しなくてはならない
2) 言葉の壁でうまく意思疎通がとれない
3) 日本で働く以上に責任とプレッシャーがかかる場合がある
4) 日本で働きたいと思わなくなってしまう
5) 現地採用の場合、待遇や給料が下がる場合がある
6) 孤独に苛まれる
7) 日本で楽しんでいた趣味を続けられない
8) 日本に帰りたいときに帰れない
9) 治安や医療に対する不安
10) 日本よりも生活が不便になる場合が多い
11)
好きなように日本食が食べられない
ここでも私の体験談を加えて紹介していきます。

デメリット1:日本とは異なる海外の組織、働き方に順応しなくてはならない

こちらが初めて海外で働いていく上で、多くの方にとって最も困難になる部分だと思います。組織や国にもよりますが、多くの場合、日本の組織で経験する働き方、仕事の進め方と違いがあり、それに戸惑う場面があると思います。
私がインドで働き始めた際は、頻繁に意見を変えるインド人や働いていなように見えるインド人、仕事の進め方が雑なインド人などにイライラすることがありました。それでも徐々に、そんなインド人のなかに良さを見つけることもできましたし、私の日本人的な強みとインド人の強みを掛け合わせることで、チームとしてより良い成果を出せることにも気付きました。
インドとフィリピンで働いた5年の経験から、違いに自分を合わせる必要はないが、その違いを尊重すること。相手の働き方、ペースを尊重しつつ、自分の価値を加えようと努力することが大事だと感じています。

デメリット2:言葉の壁で意思疎通がうまくとれない

よっぽど語学に堪能な方でない限り、言葉の壁を経験するはずです。英語ではなく、その土地で初めて使うような外国語だと、その困難はさらに高まるでしょう。言いたいことを言えない」はフラストレーションになります。粘り強くコミュニケーションをとらないと、自分の思い通りに商談を進められない、組織としてのアクションを決められない、というケースは出てきてしまいます。

言葉の壁により、業務により時間がかかってしまうこともあるでしょう。

私は海外に住み、働いてきた経験から、英語のコミュニケーションがより良くとれるようになっている実感があります。それでも、日本語で100%のことを言葉にできるとすると、英語で表現できるのは60-70%という感覚です。業務上の指示はある程度シンプルな英語で伝えられる場面が多いですが、自分の気持ちを表現する場面や部下にアドバイスをするときなど、困難を感じる場面があります。

 

 

デメリット3:日本で働く以上に責任とプレッシャーがかかる場合がある

海外で働く場合、多くの方が日本企業の海外支社で働くことになると思います。海外駐在か現地採用かにかかわらず、日本人は助っ人のような存在で、大事なポジションを任される場合が多いです。良い意味で、より権限が与えられ、成長の機会になりますが、一方でより重い責任とプレッシャーが伴う場合があります。
私が現在担当しているマーケティングヘッドの仕事も、私の経験と能力に身に余るポジションだと思うことがあります。仕事のメリハリはついていますが、ときに日本で働いていたとき以上に、残業が必要となることもあります。よく言えば、日本では経験ができなかった仕事で、キャリアの成長の機会ですが、プレッシャーがかかることもまた事実です。

デメリット4:日本で働きたいと思わなくなってしまう

デメリットと言えるのかわかりませんが、海外での仕事と生活に慣れてしまうことで、日本にもう戻りたくないと思ってしまう方も多いです。
私も、海外で働き続けたいと思っていますし、現在の自分の仕事のしかたでは、日本の大企業のようなところに戻って仕事をすることは難しいだろうと思います。企業と国にもよりますが、私が働いてきたアジアでの5年間は、スピードを重視して、粗さに目をつむって進めるような仕事をしてきました。そうした仕事の進め方の方が自分の性に合っていると思ってきましたし、ある意味日本では通用しないだろうとも思います。
その他にも、仕事そのものに集中できる海外の仕事環境、多様性のなかで働ける環境が好きなことから、私は日本で働くよりも海外で働き続けたいと思っています。

デメリット5:現地採用の場合、給与や待遇が下がる可能性がある

「現地採用」は、日系企業の現地の支社に採用される雇用形態のことで、日本本社で採用されて外国に赴任する「海外駐在」とは異なります。現地採用の場合、国にもよりますが、日本で就労するのと比較して給料や待遇が下がる可能性があります。給料に加え、現地での健康保険が十分にカバーされていなかったり、日本の健康保険や年金を自分で手続きしなくてはなかったりします。

私の場合、フィリピンで働いている現在は、日本で働いていた時よりも年収が10〜20%程下がっています。現地の物価が日本よりも低いので、手元に残るお金は増えましたが、手取りのお金で言うと下がってしまっています。

デメリット6:孤独に苛まれる

海外で働くこと、海外に住むことには孤独が伴います。家族帯同で海外に移り住めば孤独も軽減されますが、日本ではより頻繁に会っていた親族や友人に会えなくなります。余暇活動が制限され、あれこれ考えるスキマ時間も増えてしまいます。職場でも当然日本人は少なくなるので、孤独を感じる場面があるものです。

私は独身なので、1人暮らしを15年ほど続けています。1人暮らしの良さもありますが、人恋しく思う場面も出てきます。幸い仕事は楽しく、職場のメンバーにも恵まれてきたので、仕事をしている場面で孤独を感じる場面はありません。ただし、とくに週末の娯楽があまりないインド駐在時やコロナ禍の外出制限がかかった際は、特に孤独に感じました。

 

デメリット7:日本で楽しんでいた趣味を続けられない

趣味とどこの国や地域に行くかにもよりますが、日本で楽しんでいる趣味を現地で続けられない可能性があります。私はスキー、スノーボード、サウナが趣味ですが、これらはフィリピンでは続けられない趣味になってしまいました。

一方で、その土地だからこそ新たにできる趣味もあります。例えばフィリピンで言えば、ダイビングやゴルフ。日本でやるよりもずっと安くできることもあり、こちらで始める方も多くいます。

 

デメリット8:治安や医療に対する不安

日本は世界のなかでもトップレベルに治安が良く、どこでも高度な医療が受けられる環境があります。一方、海外に目を向けてみると、国と地域にもよりますが、日本のように安全ではなく、医療施設が整っていないところもあります。

海外で日本の会社に勤務するのであれば、保険などの補助はつきますが、それでも海外の医療施設が提供できる医療に限界がある場合があります。

私が住んでいるフィリピンは、治安の良くないイメージがあると思います。殺人事件や強盗などの件数を見ると、確かにそうした数字は低くないです。ただ、私が住んでいるエリアに限って言えば、事件は少ないと言えます。治安が良くないと言われる都市であっても、比較的安全なエリアはあるはずですので、そうした情報から、住居探し、活動エリアを決めていただくのが良いと思います。

医療に関しても、フィリピンの医療水準が高いとは言えません。急な場合は仕方がありませんが、私は日本に一時帰国する際に、定期検診を受けたり、病院に罹ったりするようにしています。

 

 

デメリット9:日本に帰りたい時に帰れない

日本に帰国する時間とお金を考えると、帰りたい時にすぐに日本に帰ることができません。今回のコロナウイルスであったように制限がかかり、お金と時間があっても隔離などの制約で帰国できないケースも考えられます。家族や親族、友人などに会いたい時に会えなくなります。

私は海外にいる間、半年に1回程度は日本に帰国していましたが、コロナ禍では2年程日本に帰ることができなくなりました。家族、日本の食べ物や温泉が恋しくなりました。コロナ禍でなくとも、友人の結婚式や親族に不幸があったときなど、日本には気軽に帰ることができず、行きたいと思っても行けない場面が出てきます。

 

デメリット10:日本よりも生活が不便になる場合が多い

多くの日本人が言いますが、日本ほど便利な国はないと、私もそう感じます。滞在する国によってその不便度は大きく変わりますが、基本的にどこの国で働き、住むことになっても、日本よりも不便な生活を強いられることになると思います。

私が現在住んでいるフィリピンで感じる不満には、公共交通機関が整っていない、インターネットの速度が遅い、ショッピングモールなどの衛生環境があまり良くない、渋滞がひどい、などがあります。

私にとってはまだ耐えられる範囲ではありますが、移住や海外転職をする際には、一度短期でもその土地に住んでみることをおすすめします。

 

デメリット11:好きなように日本食が食べられない

当然ですが、日本にいるように日本食を口にすることができなくなります。ある程度の日本食レストラン、日本食スーパーがある地であれば良いですが、そうではなく、さらに現地の食事が口に合わない、ということであれば、日本食にアクセスできない不便さをより感じることになると思います。

私もインド駐在時、日本食の選択肢が少なく、寿司や焼肉、生卵や納豆などが恋しくなりました。一時帰国をした際は、そうしたものを食べ続けました。フィリピンでは、多くの日本食レストランが進出している上、日本食スーパーもあるので、インドの時ほどの苦労はありません。ただ、日本で食べるより価格は高くなってしまうお店が多いです。

参考記事>> 現地採用の憂うつ|4年働いたフィリピンの日系企業を辞める理由

 

迷っているなら海外で働いてみた方が良い

海外で働くメリットとデメリットを合わせて30紹介してきました。私の体験談も交えながら紹介しましたので、海外が働くことがどんな風か、よりイメージをもっていただけたと思います。

私は28際の時に初めて、海外で働くポジションに手を挙げて、そのチャンスを得ることができました。迷いがなかったわけではありませんが、今振り返ると、その決断は私の人生をより充実させる良きものだったと思います。逆に、現在も日本で毎日会社に行きたくない気持ちと戦いながら働いていることを想像すると恐ろしいくらいです。

私と同じように、きっと日本で働くよりも海外で働く方が性に合っている方がいると思います。人生100年時代。遅すぎることはなにもありませんが、きっと早い方が良いのだと思います。もし自分に合わないとなれば、そこから軌道修正することもできます。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。