生活できるだけのお金は稼げる?
月収を上げるにはどうしたら良い?
世界の統計データを公表しているWorldData.infoの最新データによると、フィリピンの平均月収は約49,350円(≒329 USD、1 USD≒150円で換算)で日本の369,000円の約14%の金額です。しかし、フィリピンで働く日本人の給与はフィリピン平均よりずっと高く、325,000円です。
この記事では、フィリピンでの生活に興味がある方に向けて、フィリピンで働く場合の月収、その月収でフィリピン生活をしていけるか、月収を高めるためにどうしたら良いかを解説していきます。
私は、フィリピンで2ヶ月の留学後に現地採用として日系企業で4年間働いた経験があります。この記事を読むことで、フィリピン移住やフィリピン転職に興味がある方が、お金の不安を取り除くことができるはずです。
・フィリピンで働く日本人の月収
・フィリピンの生活でかかる費用
・月収を増やすためにすべきこと
転職サイトから算出したフィリピンで働く日本人の平均月収:32.5万円
転職サイト4社、日本人向けのフィリピン求人316件から算出した平均月収は325,000円です。
この金額は、フィリピン全体の平均月収49,350円と比較すると7.4倍です。さらに、フィリピンでは労働法で”13th Month Pay”(13ヶ月目給与)が12月に支払われ、多くの日系企業では会社業績に応じたボーナスも支給されます。上記の325,000円は、13ヶ月目の給与とボーナスを入れていない金額です。
年収で言うと、月収 x 13〜16 (ヶ月)程度になると思います。
月収325,000円は思ったより高いという方が多いと思います。勤務地や雇用形態によってまちまちですので、求人カテゴリー別の平均月収をまとめました。
【カテゴリー別】日本人向けフィリピン求人の平均月収 | ||
平均月収 | 求人件数 | |
駐在員 | 48.2万円 | 122 |
現地採用 | 29.2万円 | 184 |
マニラ勤務 | 39.6万円 | 136 |
セブ勤務 | 32.0万円 | 69 |
*上記データは、2023年11月1日時点の転職サイト・転職エージェントのカモメアジア転職、doda、ビズリーチ、リーラコーエン4社の公開求人316件から、平均月収を算出。
*PHP 1=2.6円で計算。
日本企業の海外求人には駐在員と現地採用の2つがある
日本企業海外支社の日本人向け求人には、駐在員と現地採用の2通りがあります。
駐在員は、日本企業の日本本社で採用され、海外に派遣されます。一方の現地採用は、日本企業の海外支社で直接採用されます。
この違いにより、給与を含めた待遇は、駐在員の方が現地採用より高いです。待遇を含めた駐在員と現地採用の違いをまとめました。
駐在員と現地採用の違い | ||
駐在員 | 現地採用 | |
雇用主 | 日本の本社 | 海外支社 |
役割 | チームをもつなど、より大きな責任がともなう | 一担当者である場合が多い |
待遇 | 給与が高く、住まいやドライバーも提供される場合が多い | 給与は低く、住まいやドライバーは提供されない場合が多い |
キャリア | 帰任や次の国への赴任など、会社に依存する | その会社で働き続けることができるが、日本本社では働けない |
就職難易度 | 比較的高い | 比較的低い |
駐在員と現地採用にそれぞれメリットとデメリットがあります。ただ、給与を含めた待遇で言うと駐在員の方がずっと良いです。
駐在員と現地採用それぞれの平均月収を見ていきましょう。
海外駐在員の平均月収は48.2万円
駐在員は現地採用より平均月収が高くなります。転職サイトの求人316件からまとめた駐在員の平均月収は48.2万円となりました。
高い給与のほか、フィリピンの駐在員の求人では、住居、ドライバーと車が支給され、年1〜2回の日本への帰国費用が提供されることが一般的です。そのため、年収1,000万円程度の待遇である求人も少なくありません。
フィリピン駐在員の求人を探すならビズリーチがおすすめです。
登録無料でフィリピンの求人を見つけることができます。
ビズリーチ公式サイト
現地採用の平均月収は29.2万円
求人データから計算した現地採用の月収は29.2万円でした。駐在員と比較すると月収で約20万円も差があります。
現地採用は、就職難易度が低く、自分の働きたい国を選びやすい自由度があります。一方で、給与を含めた待遇では駐在員の方がずっと良いので、できるだけ駐在員の求人を狙うことをおすすめします。
フィリピン現地採用の転職活動には以下の2つがおすすめです。
無料で転職活動のサポートを受けられるリーラコーエン
豊富な求人を登録なしで確認できるカモメアジア転職
続いて、都市別の平均月収をご紹介します。
マニラ勤務の平均月収は39.6万円
マニラはフィリピンの首都で、フィリピンの日本人向け求人の5〜6割はマニラに集中しています。
業界としては製造業と建設会社が最も多いですが、IT、サービス業、商社など幅広い求人があります。
業種は営業、工場の品質管理、建設会社のエンジニアなどが多いですが、その他にも多くの職種の求人があります。
マニラで待遇の良い求人を探すにはビズリーチがおすすめです。
ビズリーチ公式サイト
セブ勤務の平均月収は32.0万円
セブはフィリピンにおいて、マニラに次いで2番目に大きな都市圏です。そのため、セブに勤務する求人も多いです。
IT、語学学校、カスタマーサポート、Webマーケティングなどの求人が多いことが特徴です。
なかには語学力不問の求人もあり、海外移住したい方、これから海外キャリアをスタートさせたい方におすすめです。
語学力不問、セブの求人探しには、キャリアカウンセラーのサポートを受けられるdodaがおすすめです。
doda公式サイト
職種別の平均月収|最も高いのは建設系、次いで企画・管理
公開求人のデータから職種別の求人件数と平均月収をまとめてみました。
【職種別】日本人向けフィリピン求人の平均月収 | ||
職種 | 平均月収 | 求人件数 |
営業・販売 | 34.3万円 | 64件 |
事務・企画・管理 | 41.2万円 | 33件 |
建築・設備・土木・不動産 | 41.9万円 | 20件 |
コールセンター・顧客サポート | 23.8万円 | 15件 |
飲食・フード | 17.6万円 | 2件 |
IT(ブリッジ・SE・PM) | 37.7万円 | 25件 |
デザイン・クリエイティブ | 23.4万円 | 3件 |
技術系専門職 | 38.5万円 | 31件 |
生産管理・品質管理 | 34.5万円 | 27件 |
購買・物流 | 35.9万円 | 8件 |
経理・総務・人事 | 32.1万円 | 19件 |
その他 | 27.8万円 | 20件 |
*上記データは、転職サイト・転職エージェントのカモメアジア転職、doda、ビズリーチ、リーラコーエン4社、公開求人316件から平均を算出。
最も平均月収が高いのは、建築・設備・土木・不動産となりました。近年、日本からのODA(政府開発援助)のプロジェクトが複数進行しているためと思われます。
次いで、事務・企画・管理、技術系専門職の職種の月収が高くなっています。
職種と求人件数を見ていただくと、幅広い求人があることが分かると思います。さらにdodaやビズリーチなどの転職エージェントでは、非公開求人も扱っており、登録することでさらに多くの求人を確認できます。
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フィリピンの所得税は20〜30%
フィリピンでも日本と同様に、年間の所得金額に応じて所得税が課されます。
以下が所得税率の表ですが、日本人の月収水準だと20〜30%程度の所得税がかかってきます。ただし、所得から差し引かれるのは基本的に所得税のみで、日本の社会保険料のようなものはかかりません。
私がフィリピンで働いていた際の所得税率も25%程度でした。
フィリピンの所得税率 | ||
下限 | 上限 | 所得税 |
– | 25万ペソ(≒65万円) | 0% |
25万ペソ(≒65万円) | 40万ペソ(≒104万円) | 25万ペソを超えた額に20% |
40万ペソ(≒104万円) | 80万ペソ(≒208万円) | 3万ペソ+40万ペソを超えた額に25% |
80万ペソ(≒208万円) | 200万ペソ(≒520万円) | 13万ペソ+80万ペソを超えた額に30% |
200万ペソ(≒520万円) | 800万ペソ(≒2,120万円) | 49万ペソ+200万ペソを超えた額に32% |
800万ペソ(≒2,120万円) | – | 241万ペソ+800万ペソを超えた額に35% |
フィリピンで働く日本人の税引き前月収は32.5万円、上記の所得税を踏まえた手取り月収は、24万円程度になります。13ヶ月目給与やボーナスを含めた手取り年収は312〜384万円前後です。
フィリピンの1人暮らしの生活費は15〜20万円
月収がどの程度の水準か分かったところで、その月収で生活していけるか、貯金はできるかが気になるところです。
私がフィリピンで1人暮らししていた際の1ヶ月の生活費は15〜20万円でした。項目別の私と一般的な日本人滞在者の支出額をまとめてみました。
支出内訳 | 私の支出額(円/月) | 日本人滞在者の支出額(円/月) |
支出合計 | 180,000円 | 100,000円〜300,000円 |
家賃 | 80,000円 | 40,000円〜100,000円 |
食費 | 60,000円 | 20,000円〜80,000円 |
水道光熱費 | 4,000円 | 3,000円〜8,000円 |
通信費 | 6,000円 | 4,000円〜10,000円 |
交際費 | 15,000円 | 5,000円〜60,000円 |
交通費 | 1,000円 | 0円〜10,000円 |
雑費 | 14,000円 | 5,000円〜30,000円 |
フィリピンの物価が低いので、もっと生活費が安いことを想定されていた方もいるかもしれません。私がマニラに住み、外食や飲み会が多かったために高くかかっていた部分もあると思います。自炊を増やす、あるいはセブに住む方ですとより生活費が安くなります。
詳しい生活費を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
>>参考記事【公開】フィリピン現地採用 1か月の給料と生活費
給与を上げるには転職エージェントを賢く使おう
給与を上げるためには、条件の良い仕事に就くことだと思います。そのためには、転職サイトと転職エージェントを賢く使い、自分に合った条件の良い仕事を紹介してもらい、サポートを受けることが大事です。
転職活動のサポートとは具体的に、以下のことを指します。
・非公開の求人を紹介してもらえる
・キャリアカウンセラーに相談ができる
・履歴書にアドバイスをもらえる
・面接前にアドバイスを受けられる
・面談日時を調整してくれる
・給与や条件面の交渉をしてもらえる
この記事では、とくに待遇が良い求人を扱っていて、サポートが充実している転職エージェントをご紹介します。
おすすめ転職エージェント1:doda
dodaは、初めて海外就職活動をする方にも、キャリアアップの海外転職を狙う方にもおすすめです。ウェブサイトの情報量が充実している上、無料でキャリアコンサルタントに相談を受けることができます。海外転職専任のキャリアコンサルタントがいること、駐在員と現地採用の両方の求人を扱っていることから、おすすめの転職エージェントです。
dodaの特徴
・キャリアコンサルタントに海外転職活動の相談ができる
・駐在員と現地採用のどちらの求人も扱っている
・登録することで非公開求人を紹介してもらえる
・海外のなかでもアジアの求人が多い
・海外転職の情報が豊富に掲載されている
・アジア転職のセミナーも頻繁に開催されている
フィリピンの公開求人数:55 (2023年11月1日時点)
【公式ウェブサイト】doda
おすすめ転職エージェント2:ビズリーチ
次にご紹介するのは、ビズリーチです。より給与などの条件が良い仕事に就きたい方におすすめの転職サービスです。ビズリーチは、転職エージェントとのマッチングサービスで、多くのコンサルタントにコンタクトでき、より多くの求人に出会えます。より高い給与、待遇を求めて海外転職を目指す方におすすめです。
ビズリーチの特徴
・現地採用ではなく、駐在案件がほとんど
・複数のコンサルタントに会える
・年収800万円以上のハイクラスの求人が豊富
・非公開求人が多いので、登録することでより多くの求人を紹介してもらえる
・海外就職に詳しいコンサルタントに相談できる
・フィリピンに限らず、世界中の求人を扱っている
フィリピンの公開求人数:81 (2023年11月1日時点)
【公式ウェブサイト】ビズリーチ
(求人数は日本国内配属後、海外勤務になる可能性がある求人を含んでいます)
参考記事>> 海外転職に強いビズリーチのメリット5つと利用のコツ3選
おすすめ転職エージェント3:リーラコーエン
次にご紹介するのは、現地採用を中心とした求人をもつリーラコーエンです。フィリピンのほか、台湾、タイ、フィリピン、ベトナム、インドネシア、シンガポール、マレーシアの求人を扱っていて、アジアに強い転職エージェントです。
REERACOENの特徴
・7つの国に12の拠点を持ち、各地に日本人スタッフが常駐。求人数が多い
・駐在員ではなく、現地採用の求人がほとんど
・ウェブサイトで働きたい国から求人検索ができる
・登録後にカウンセリングや求人紹介、面接時のアドバイスなど、手厚いサポートを受けられる
・経験不問、語学力不問などの求人も扱っている
公開求人数:43 (2023年11月1日時点)
【公式ウェブサイト】REERACOEN
まとめ|フィリピンにも条件の良い仕事はたくさんある
思っていたよりフィリピンで働く仕事がたくさんあり、月収も高いと思っていただけたと思います。
改めて、フィリピンの日本人の月収を掲載します。
【カテゴリー別】日本人向けフィリピン求人の平均月収 | ||
平均月収 | 求人件数 | |
全求人 | 32.5万円 | 316 |
駐在員 | 48.2万円 | 122 |
現地採用 | 29.2万円 | 184 |
マニラ勤務 | 39.6万円 | 136 |
セブ勤務 | 32.0万円 | 69 |
私は日本で5年働いた後、海外で働くことを選択しました。日本との違いに戸惑うこともありますが、これから発展していく国で、言葉や文化の壁を乗り越えながら働くのは、日本では感じたことのないほどのやりがいと達成感をもつことが多いです。
とくにフィリピンは、親日だったり、日本から近かったり、国民の多くが英語を話せたりと、初めて海外のキャリアをスタートするには良い国です。
転職エージェントは、今すぐ転職をしない方でもキャリアコンサルタントに相談ができます。これから海外で働いてみたいと思っている方は、一度相談してみることをおすすめします。